やろうかな、どうしようかな。失敗したらどうしよう、やっぱりやめようか。失敗が怖くて一歩が踏み出せない、勇気が出ない。
そんな時に。
失敗すればやり直せばいい。
やり直してダメなら、もう一度工夫し、
もう一度やり直せばいい
(松下幸之助)
失敗したらやり直せばよいって言われてみれば当たり前のことなんですが、なぜか「絶対に失敗してはならない、成功させなくては」という気持ちが働いてしまうことがよくあります。
そんなときに、社長や上司、先輩からこう声をかけてもらったらどんなに安心することでしょう。このように言ってもらえばリラックスできるし、こんな言葉をかけてくれる人の為にも・・とやる気もおこるものです。
だから、上司もこんなこと言ったらいけません。
「失敗したらどうするんだ?どう責任とるんだ!?後はないと思えよ」
萎縮してうまくいくものもうまくきかなくなるし、クリエイティブな発想やリラックスした精神状態がこんな上司の下で生まれるわけがありません。
本来「失敗の責任は成功で返させるべき」では?
少し話しが逸れます。
日本だと企業が失敗した責任を経営者や役員が退職することで責任を果たした、とされよくテレビで見ます。
「失敗したらクビや左遷」という考えも広くあります。
しかし、海外だとそうではない考えが主流とも聞きます。
どういうことかというと
失敗したら退場するというのは甘えであり、むしろそのまま成功するまでやらせるべきだ
厳しいようでいて、その人を信頼している優しさもあり、少なくてももう一度はチャンスをあげるべきだという前向きなメッセージを感じます。
この考えが非常に私は好きです。
どっちの考えの人の下でより人間は力を発揮するかと言われれば、断然に後者ではないでしょうか。
少なくても恐怖心からのモチベーションではなく、この人のために、この会社のためになんとか力になりたいという底力が湧いてくるのが後者というのは言い切っても良いと思います。
坂本龍馬の覚悟
話しを戻しましょう(笑)
さて、次に企業の中での問題というよりより広い目線でいうと「人生を左右するようなチャレンジ」というものがあります。
これをやってうまくいかなかったら、路頭に迷うことになるかも知れない。それでもやってみたい、もう一歩後押しが欲しいというときに強力すぎる言葉。
何でも思い切ってやってみることですよ。
どっちに転んだって人間、
野辺の石ころ同様、
骨となって一生を終えるのだから
(坂本龍馬)
覚悟の量が違いすぎて何も言えませんね。
現代人の考え方では到底考えられません。
「今日死のうが明日死のうが、遅かれ早かれ人間なんてその辺の石ころみたいに骨になるだけなんだから、何でも思い切って後悔なくやりなさい」
ということと理解します。
恵まれた現代日本に生まれ育った私は、完全にその境地になるのには容易ではないのですが、この極地にたどり着いたなら何も怖くはないのだろうな。と思います。
同時に今の世の中で信じられないようなことを成し遂げる人は沢山いて、これに近い感覚を持っている人もいるでしょう。
なぜ昔にこのようなことを考えた日本人がいたかというのは、一つに【人生の短さ】があると思います。それは次の有名な台詞から・・・
人生は結構、短い
その有名な台詞というのは、
人間50年
下天の内をくらぶれば
夢幻のごとくなり
(幸若舞「敦盛」の一節)
織田信長の辞世の句ではと言われることもある一節ですが、「人の世の50年間は天界の時間と比すれば夢幻のように儚い」といった意味です。
現代は日本の平均寿命は80年、今後はうまくいけば90年くらい生きられるようになるかも知れません。
しかし昔の人の人生はわずか50年だったのです、そう考えれば結婚も15歳で行い現代の2倍、3倍もの密度で生きなければやりたいことは全うできなかったでしょう。
昔の人の「(現代と比べると)凝縮された寿命が強い覚悟や毎日の集中力につながる」のではないでしょうか。
海外では途上国でいうと昔の日本よりも過酷な環境であり寿命も同じくらいという国はありますから、同じ理由で半端ではない覚悟や向上心、反骨心が産まれる土壌もあると思います。
人生長い、と考えれば不要な余裕が生まれます。リラックスも大事ですが、人生が60年しかない、50年しかない、という心境に完全になりきることができればものすごい集中力が生まれそうです。
残りの人生の短さに焦点を当てると覚悟と勇気と一日一日の集中力につながるということです。
極端な話しですが、余命3日といわれたときの脳の回転は人生で味わったことがないものになるでしょうね。
こう考えるようにしていくといいかもしれません。
・20台の方「人生は30までしかないんだ、それまでにやりきるんだ」
・30台の方「人生は40までしかないんだ、それまでにやりきるんだ」
・40台の方「人生は50までしかないんだ、それまでにやりきるんだ」
・50台の方「人生は60までしかないんだ、それまでにやりきるんだ」
あるいは、どの年代の方でも、
「自分の一生は長いかもしれないが数年後かもしれない、あと10年と考えそれまでに悔いがないよう全てを出し切って生きよう」
このような考えをするのは人によっては気分がよいものではないということは分かります。私も若いときであればこう斜に構えていたかもしれません、「何をそんな神妙なことを考えているんだ、一度きりの人生なんだ、もっと楽観的にいったほうが人生は楽しい」。
もちろんそういう考えは今でも持っていますし、それも一つの前向きな素晴らしい考え方だと思います。
それに加えて死生観ではありませんが、自分の死について考えて覚悟ができると、どんなことにも揺るがない、恐怖に負けない自信や勇気が生まれてくると思います。
ここに挙げた人物までの覚悟を身につけるのは容易ではないと思いますが、成し遂げる、夢を叶えるためにはこのような覚悟により近づけるような意識というものを身につけたいと思う日々であります。
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